2010.03.17 :平成22年厚生委員会
「長寿医療制度」

早坂委員 

 次に、長寿医療制度について伺います。
 長寿医療制度の保険料については、平成二十年四月の制度施行以降も、我が党の主張により、所得の低い方や被用者保険の被扶養者の方々の負担軽減の拡大など、さまざまな軽減策が講じられてまいりました。長寿医療制度の保険料は二年ごとに算定されますが、来期の保険料については、医療給付費の増などにより、全国的に一四%程度の増加が見込まれていたところであります。
 そのような中、東京都広域連合の来期の保険料については、ことし一月の広域連合議会において、均等割は据え置きの三万七千八百円、所得割率は七・一八%と決定され、東京都の支援もあり、一人当たり平均保険料は四・九四%の上昇に抑えられたと承知をしております。
 来期の東京都広域連合の保険料決定に際し、東京都は具体的にどのような支援を行ったのか伺います。

〇宮垣地域保健担当部長 

 都は、平成二十二年度、二十三年度の長寿医療制度の保険料の増加を抑制するため、東京都広域連合が投入する剰余金に加え、東京都後期高齢者医療財政安定化基金を積み増しし、約百六億円の取り崩しにより対応することといたしました。
 この基金の積立金は、国、都、広域連合が三分の一ずつ負担することとなっており、都はこれまでの積立額に加え、今後、二年間で約三十二億円を負担することとしております。

早坂委員 

 保険料の増加抑制を図るために、東京都が財政安定化基金の積み増しを行うとのことでありますが、東京都は、これまで保険料軽減のために、法定負担以外の財政負担は行わないことを原則としてきたはずであります。
 また、この基金は本来、保険料の未納や給付費の見込み誤りによる財源不足に対応することを目的として設置されています。
 今回、東京都がこの基金を積み増し、保険料増加抑制のために利用するに至った経緯について伺います。

〇宮垣地域保健担当部長

 来期の保険料については、当初、国において増加抑制のための予算措置が検討されておりましたが、これが措置されなかったため、昨年十一月、国は、基金を活用して平均保険料の伸び率を五%未満に抑制するよう、都道府県に財政的な対応を求めてまいりました。
 また、それと同時に、国は、基金を保険料増加抑制に活用できるよう、根拠法改正の意向を示してまいりました。
 都は、今回の国の要請に対しては、昨年十二月に、十九の道府県と連名で、国の責任において保険料の増加抑制費用を全額措置すべきものであるなどの申し入れを行いました。その後、この申し入れに対しての国の対応が見込まれない状況の中、都としては、高齢者の方々の不安や混乱に配慮し、東京都広域連合と協議の上、特段の措置として、最終的には基金の積み増しを行うこととの判断をしたものでございます。

早坂委員 

 我が党は、これまでも東京都に対して広域連合への適切な支援を求めてまいりました。今回、東京都が、都民の不安や混乱を避けるため、保険料の増加抑制に踏み切ったこと自体は評価します。
 しかしながら、このような保険料の増加抑制措置は、本来、国が行うべきものであります。来期の保険料増加抑制に係る費用については、国において措置するとしていたにもかかわらず、何の協議もなく、地方自治体に財政負担を求めるとは全く無責任であります。国は、責任ある対応をすべきと考えます。