2008.09.30 : 平成20年文教委員会
「悪質商法撲滅」

早坂委員

 今回の東京都消費生活基本計画には四つの緊急対策が掲げられていますが、その中で消費者被害の防止と救済のためのいわば車の両輪ともいえる悪質商法の撲滅と消費生活総合センターの強化について、伺います。
 我が党はかねてから消費者被害の拡大、悪質化に対して迅速な対応をすべきであることを主張してきました。これを受け、東京都では、いち早く消費生活条例を改正して、指導から処分へと悪質事業者に対する取り締まりを強化し、訪問販売などを対象とした特定商取引法による処分にも積極的に取り組んできました。
 特定商取引法に基づく悪質事業者への業務停止など、行政処分は、国はもちろん、自治体では広域自治体である都道府県のみが権限を有しており、都民の消費者被害の未然防止のためには有効です。悪質事業者を排除し、良質な市場環境を築くことは、まじめに商取引を行っている事業者のためにも必要なことです。
 そこで、まず悪質商法撲滅のため、処分に取り組んでいる特別機動調査班の体制と現在の取り組み状況について伺います。

〇清宮消費生活部長

 特定商取引法及び消費生活条例を有効に執行するため、東京都では総勢十四名の特別機動調査班が悪質事業者の取り締まりに取り組んでおります。
 特別機動調査班には、現職の警察官である警視庁併任職員一名と、昨年からは経験豊富な警視庁OB三名を非常勤職員として配置しまして、立入調査等の能力を高めるとともに、効果的な取り締まりを実施してきました。
 昨年度は、指示や業務停止命令など、四十七件の行政処分等を実施し、この実績は国の処分件数四十件を超えるものとなっております。今年度も既に十四件の処分を実施したところでございます。

早坂委員

 消費者被害は相談にあらわれないものも多いといわれ、また、高齢者など本人が被害と気がつかない間に高額な商品を契約している場合もあるかと思います。こうした都民のためにも徹底した排除が望まれます。これまでの処分事例を踏まえて、悪質事業者を排除していく上で、どのような課題、問題点があるか、伺います。
〇清宮消費生活部長

 大きな課題といたしましては二点ございます。
 一つには、広域的に活動する事業者の問題でございます。都が悪質事業者の徹底排除を図りますと、都内で活動していた事業者が、埼玉や千葉などの隣接の県に移動いたしまして、同じような不適正な行為を続けるケースが見られます。また、広域的に事業を展開する悪質事業者に対しては、都の処分の効果が他県に及ばないため、悪質商法の排除が限定的になってしまうことがございます。
 第二には、消費生活関連の法律だけでは限界があり、対象業者の事業内容に係る法律の適用が必要になるケースがあることでございます。例えば、過去に購入した原野を、整地すれば高く売れるといって高額な契約をさせる、いわゆる原野商法の二次被害がございますが、この場合、特定商取引法では、整地工事は処分の対象になりますが、土地の取引は対象にはなりません。一方、宅地建物取引業法では、土地の取引は処分の対象ですが、逆に整地のための工事は対象にはならないと。このような場合には、関係法律を効果的に適用することが必要になると考えています

早坂委員

 今のお話では、東京都の処分では、他道府県での営業をとめることができないということでありました。確かに、都道府県が行う処分ですから、他県には及ばないことは当然といえば当然のことですが、事業者の方は、特に都道府県の境があるわけではありません。また、原野商法を例に説明をいただきましたが、業者の業務内容に関する法律はいろいろあるわけで、それを適用していくには、法律を所管する局との連携も重要かと思います。 広域事業者への対応や関係局との連携について今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

〇清宮消費生活部長

 広域的に事業を展開する悪質事業者に対しましては、隣接県で同時に処分や指導を行うことが有効でございます。これまでも埼玉県や神奈川県、千葉県などと連携をし、緊密な情報交換、合同立入調査、同時行政処分等を行ってまいりました。今後はさらに連携を強化いたしまして、悪質事業者情報を関係都県が速やかに共有して、市場監視機能を高め、被害の拡大の前に迅速な対応がとれるように進めてまいります。
 また、住宅のリフォーム事業や若者を対象とするマルチ商法など、大都市の特性にねらいを定める悪質商法もございます。こうしたものに対しては、例えば大阪府など、大都市とも連携してまいります。
 関係局との連携についてでございますが、悪質事業者の事業内容に係る法律は、先ほどの宅地建物取引業法のほかにも貸金業法、医療法、薬事法など多くの法律がございます。特定商取引法に加え、こうした関係法律についても効果的な適用を行い、法適用の包囲網を構築することにより、行政処分権限をフルに行使し、悪質商法の撲滅に積極的に取り組んでまいります。

早坂委員

 悪質な事業者は、手をかえ品をかえ、消費者を食い物にしています。こういう状況に対しては、これまでご答弁いただいた具体的な取り組みをしっかりやっていただくことが大切であります。それと同時に、行政処分を行っている特別機動調査班の体制を強化していくことも必要です。ぜひ都民が安心して商品やサービスを購入できるよう体制をしっかり整備して、悪質な事業者の排除に取り組んでいただくよう要望いたします。
 ところで、悪質事業者の処分の端緒は、その多くが都民からの相談だと聞いています。消費者問題解決の入り口である消費者相談も大変重要です。消費生活相談は、東京都の消費生活センターと区市町村の消費生活センターにおいて実施されています。相談件数だけで見れば、東京都のセンターは四万件であり、区市町村は十万件と、区市町村のセンターが果たしている役割も大きいものがあります。そこで、消費生活相談について、東京都消費生活総合センターは区市町村の消費生活センターとの関係でどのような役割を担っているのか、伺います。

〇清宮消費生活部長

 東京都の消費生活総合センターは、複雑高度な相談内容に対応しながら、区市町村にそのノウハウ等を提供するというセンター・オブ・センターズとしての広域的な役割を果たしています。具体的には、相談員が不動産、金融などの分野ごとに専門グループを構成いたしまして、それぞれの分野に関する相談情報を集積、分析を行いながら、区市町村では対応困難な相談事案について対応し、都民の消費者被害の救済に努めています。
 また、区市町村の消費生活センターに対しては、相談に関する情報や相談処理マニュアルの提供、困難事案などの統一処理などの支援を行っているところでございます。

早坂委員

 今後、土曜日の相談窓口の開設など、相談体制の充実強化を図るとのことですが、そのためには自治体の相談に対応する専門的な知見を持った経験豊かな消費生活相談員の確保が不可欠であります。しかしながら、東京都の消費生活相談員の報酬は、二十三区の平均や国民生活センターよりも低く、そのためもあってか、ここ数年、転職してやめていく人もいるとのことです。 消費生活相談員の現状と、今後どのように相談体制を強化していくのか、伺います。

〇清宮消費生活部長

 東京都消費生活総合センターでは、現在、三十四名の相談員が、法律や商品等に関する専門的な知識はもちろん、消費者問題に関する豊かな経験を踏まえ、交渉力を駆使しながら、消費者相談の解決に当たっています。
 一方で、区市町村の消費生活センターなども充実してきておりまして、都の消費生活相談員の報酬は、お話にございましたように、二十三区の相談員の平均報酬よりも低いことなどから、優秀な人材の確保が次第に難しくなっているところがございます。東京都消費生活総合センターの相談体制の強化につきましては、消費生活相談員という専門的な人材を質を維持しながら確保していくということが求められます。そのため、センター・オブ・センターズとしての役割をも踏まえ、高度専門的な相談対応ができるよう適切な処遇や人材の育成などの環境の整備に努めてまいります。