2011.02.25 : 平成23年度予算特別委員会
「荻窪駅北口広場再開発」

早坂委員 

 次に、駅前広場整備事業について伺います。
 駅前広場は、まちの来訪者を迎える玄関であり、地域の顔であります。その駅前広場の整備は、まちのにぎわいを創出し、商店街の活性化にもつながる波及効果の高い事業であると考えます。
 私の地元、杉並区の荻窪駅は、JRと地下鉄のターミナルとして、一日の乗降客数は二十四万人に及びます。北口には十三系統もの路線バスが乗り入れていますが、駅前広場は狭く、大変ふくそうしています。その結果、朝のラッシュ時には、停車したバスの間をくぐり抜け、広場を横切って駅に向かう利用者も多く、大変危険な状況でしたが、五十年以上も改良工事が着手されないままでした。
 この事業は、東京都が施行者として、これまで地元調整等にかかわってきたものであります。このほど東京都は、この駅前広場の整備にようやく着手し、間もなく完成の運びであります。
 そこで、この荻窪駅北口の駅前広場整備事業について、長年、着工できなかった理由、東京都が整備する経緯、事業の効果について伺います。

◯河島東京都技監 

 荻窪駅北口駅前広場は、昭和二十一年に戦災復興計画として都市計画決定、二十七年には国の事業として事業決定されました。その後、四十七年には国から都施行事業として移管されたものの、事業区域における不法占拠の土地の明け渡し裁判が最高裁まで及ぶなどの理由により、長年にわたり工事に着手できない状況でございました。
 裁判所の和解が一昨年に成立したのを受け、都は昨年七月に着工し、工事は杉並区などの協力により順調に進捗しておりまして、来月には完了の予定でございます。
 駅前広場には、車道と分離した歩道やバス停留所、タクシープール等が適切に配置され、人々が集うスペースも整備されます。これらにより、周辺交通の混雑緩和を初め歩行者の利便性や安全性が大幅に向上するとともに、駅周辺のにぎわいの創出にもつながることが期待されます。

早坂委員

 駅前広場の完成を荻窪の住民は皆とても歓迎しています。しかし、整備後においてもバスの停留所は駅前広場だけではのみ込めず、青梅街道沿いにも設置せざるを得ないため、道路渋滞がこれによって解消されるわけではありません。
 また、駅前広場に隣接した場所には、今も大きな木造密集地域が残っています。昨年十二月には、その木造密集地域で全焼火災が発生しました。火元となった建物がたまたま表通りに面していたため、消火活動には支障がありませんでしたが、木造密集地域のクリアランスという課題は依然として残されたままです。
 JR中央線が東京、神田、お茶の水と始まって終点の高尾まで、現在でも南北自由通路が整備されていないのは荻窪と高尾の二カ所だけです。駅前広場の持つポテンシャルを生かし切れていないという意味で、荻窪駅は、さらなる発展の余地をふんだんに残しています。
 地元杉並区では、荻窪駅を中心とした新たなまちづくりに向けて、来年度から専門の部署を区役所内に設置し、年度内にまちづくりの基本方針を取りまとめる予定です。
 そこで、荻窪駅周辺の新たなまちづくりの動きに対して、東京都はどのように対応する考えなのか伺います。

◯河島東京都技監 

 荻窪駅周辺につきましては、JR中央線、地下鉄丸ノ内線のほか、多くのバス路線
が発着する杉並区内最大の交通結節点でございまして、地域の拠点としてのポテンシャルを有しております。東京の都市づくりビジョンでは、交通結節点の機能を生かし、充実した商業施設を初め、オフィスや住宅が複合した魅力ある市街地を形成することをまちの将来像としております。
 間もなく完成する荻窪駅北口駅前広場の整備を契機として、地元杉並区では、来年度から駅周辺の持つ潜在能力を十分に生かし、商業の活性化や生活の利便性向上など、都市機能をさらに高めるまちづくりに取り組むこととしております。
 これは、都市づくりビジョンに掲げた将来像と方向性が合致するものでございまして、都は、こうした地元区が行う新たなまちづくりへの取り組みに対して、技術的な支援を積極的に行ってまいります。

早坂委員

 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
◯高橋副委員長 早坂義弘委員の発言は終わりました。