2007.02.01 : 平成19年文教委員会 本文
「学校給食と栄養教諭」

早坂委員 

 まず、学校給食について伺います。
 そもそも学校では必ず給食を実施しなければならないのか、お伺いいたします。

◯山川学務部長 

 学校給食法第四条におきまして、義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならないとなっておりまして、学校給食の実施は設置者の努力規定になっております。

早坂委員

 設置者の努力義務ということは、給食を実施するかどうかは、公立小中学校でいえば区市町村ごとの判断だということであります。では、現在の都内での学校給食の実施率とその実施形態について伺います。

◯山川学務部長 

 学校給食の実施状況でございますが、公立学校におきましては、小学校はほぼ一〇〇%の学校で、中学校は約九割で実施されております。
 実施形態につきましては、区部ではほとんどが自校調理方式を、多摩地域では共同調理場方式が多くなっております。

早坂委員

 現在、給食は一食どのくらいの予算でつくられているのか、伺います。

◯山川学務部長 

 平成十八年度の平均の学校給食費は、小学校低学年で二百二十三円、中学年で二百三十六円、高学年で二百五十円、中学校で二百九十八円となっております。

早坂委員

 最近は、朝食抜きの子どもや、一方で肥満の子どもがふえているなど、食生活の乱れが指摘されています。栄養バランスに十分配慮された学校給食の果たす役割は、お子さんの一日当たりの栄養摂取においてますます重要になってきていると思います。また、夫婦共働き世帯への子育て支援の意味もあります。
 そこで、学校栄養職員はどのような職務をしているのか、伺います。

◯山川学務部長 

 献立作成などの栄養管理や、給食時間に食に関する専門性を生かした給食指導などを行っております。また、担任教諭とのチームティーチングなどによりまして、児童生徒に対し食に関する指導を実施したり、給食だよりの発行による保護者への働きかけ、あるいは地域の生産者と連携いたしまして農産物などの生産体験など、学校や地域の実情に応じて食育に取り組んでいるところでございます。

早坂委員

 私が毎日給食を食べていた二十五年ほど前には、学校栄養職員は給食室に閉じこもり、給食づくりの指揮監督に専念したという印象があります。しかし、現在は、子どものいる教室へ出向き、食に関するさまざまな指導を行っていると聞きました。
 このような指導が実施されるようになったのはいつごろからでしょうか。

◯山川学務部長 

 学校栄養職員の職務は、当初は栄養管理が中心とされておりましたが、昭和六十一年に、学校栄養職員の職務についての国からの通知によりまして、望ましい食生活に関し、専門的立場から担任教諭等を補佐して、児童生徒に対する指導や学校給食を通じて家庭及び地域との連携を推進することが明確になりました。さらに、平成十年には、食に関する指導の充実についての国からの通知があり、学級活動などにおいてチームティーチングで食に関する指導が実施されております。

早坂委員

 今後、都内の公立小中学校においてどのような食育推進への取り組みをしていくのか、伺います。

 ◯山川学務部長

 昨年七月にまとめました公立学校における食育に関する検討委員会報告書におきまして、食育推進のための校内体制として、給食主任などの教諭や家庭科教諭、養護教諭、学校栄養職員から成る食育推進チームを編成し、その中から食育リーダーを選任し、食に関する指導の全体計画作成のための調整や、家庭、地域との連携におけるコーディネーターとなり推進していくことが示されたところでございます。 今後、こうした考え方に基づいて、学校における食育を推進してまいります。

早坂委員

 次に、全国の栄養教諭の配置状況についてお伺いいたします。

◯山川学務部長 

 平成十九年一月十六日現在、文部科学省の調査によりますと、二十五道府県におきまして三百五十八名が学校に配置されております。

早坂委員

 栄養職員を対象にした認定講習はどのような科目を開設しているのか、また、栄養職員が栄養教諭免許状を取得するにはどれだけの単位が必要なのか、お伺いいたします。

◯松田人事部長 

 栄養職員を対象とした認定講習は、平成十七年度から、栄養教諭の資質向上を図る目的で、国の栄養教諭育成講習事業を活用いたしまして、栄養に係る教育に関する科目の二単位について実施をしております。教員免許状を持っている栄養職員は、この二単位をもって栄養教諭免許状の申請が可能となります。また、教員免許状を有していない栄養職員につきましては、この二単位のほかに、さらに教職に関する科目八単位を修得する必要がございます。

早坂委員

 東京都は今後の栄養教諭の配置についてどのように考えているのか、伺います。

◯山川学務部長 

 都としての栄養教諭制度につきましては、先ほど申し上げました学校における食育推進の中心的な役割が期待される食育リーダーの役割を踏まえた栄養教諭の職務配置等についてどうあるべきかを検討するため、庁内に食育指導体制における栄養教諭の検討プロジェクトチームを設置し、現在検討を進めているところでございます。年度末をめどに、方向性についてまとめてまいりたいと考えております。

早坂委員

 栄養職員を対象にした認定講習については、平成十九年度も栄養に係る教育に関する科目を実施する予定と伺っています。栄養職員の資質向上は、今後の食育指導体制の中で重要な視点であると考えます。国の栄養教諭育成講習事業は平成十九年度までと聞いていますが、平成二十年度以降も栄養教諭の資質向上を目的とした認定講習を引き続き実施し、東京都としても栄養教諭の配置に積極的に取り組むようお願いいたします。