2005.12.09 : 平成17年厚生委員会 本文
「国民健康保険調整交付金条例」

早坂委員 

 私は、東京都国民健康保険調整交付金条例についてお伺いいたします。
 提案された条例案の基本的考え方については、既に、さきの我が党代表質問に対して局長から答弁がありました。また、先ほど田代理事からも総括的な質問がありました。そこで、私はもう少し具体的なことについてお伺いいたします。
 この条例案の本則では、医療給付費等の七%を東京都調整交付金の総額として、そのうち七分の六相当を普通調整交付金、七分の一相当を特別調整交付金としています。そして、第四条第二項では、特別調整交付金は、国民健康保険事業の運営の健全化に資する事業を行う区市町村に対し、規則で定めるところにより交付するとあります。具体的には規則にゆだねることになると思いますが、東京都はこの特別調整交付金をどのような考え方で交付しようとしているのか、お伺いいたします。

◯朝比奈生活福祉部長 

 条例で定められております国民健康保険事業の運営の健全化に資する事業についてでございますけれども、四点考えております。
 一つは被保険者の健康保持増進、二点目が適正な保険料・税収入の確保、三点目が適正な事業運営の推進、四点目が国民健康保険の趣旨普及に関する事業などでございます。
 これらの事業に区市町村が取り組んだ場合、当該の区市町村に対して特別調整交付金を重点的に配分する仕組みとしたいと考えております。この交付金を一律に交付をするということではなく、事業運営の健全化を図る取り組みに汗を流した区市町村が報われるようなものにしていきたいと考えております。

早坂委員

 ただいまの答弁の中で挙げられた事業のうち、とりわけ医療費抑制という観点からいえば、私は、病院、病気を予防すること、健康の維持増進というのが最も大切なことであると思います。
 それでは、現時点では、東京都は具体的にどのような事業を対象にしようと考えているのか、お伺いいたします。

◯朝比奈生活福祉部長 

 現時点での例示でございますが、実際に区市町村で取り組んでおる事例も含めて申し上げますと、一つは、医師、歯科医師、薬剤師、保健師などによる健康教育や健康相談、個別訪問指導などの事業、それから生活習慣病予防対策のための医療費分析等の事業、さらに国民健康保険以外の医療保険、公衆衛生部門と連携をした保健事業の共同実施等の事業などがございます。
 今後、さらに区市町村の意見を聞きながら、被保険者の健康保持増進に関する事業で効果があると見込まれる事業を定めていきたいと考えております。

早坂委員 

 この条例案は、制度変更による区市町村への影響を勘案して、経過措置が附則されていますが、激変緩和のための当面の措置であると思います。
 医療保険制度の改革は、マスコミでも報道のとおり、国で議論されているところでありますが、その検討結果などを踏まえ、この調整交付金の配分については、今後適切な見直しを行うことが必要であります。
 調整交付金の大部分を定率で交付するだけでは、国民健康保険事業の健全化を達成することが困難であります。もともとある財政格差の調整は当然としても、先ほど答弁があったとおり、汗を流した区市町村が報われる仕組みにしないと意味がないと思います。東京都の役割が極めて重要であることを意見として申し上げて、私の質問を終わります。