2005.10.18 : 平成17年厚生委員会 本文
「救命救急センター」

早坂委員 

 DMATの活動を支えている救命救急センターの整備についてお伺いいたします。
 救命センターは、救急医療の中でも、生命危機を伴う重症者に二十四時間いつでも対応する重要な施設です。そこで、救命センターとして必要な施設、設備、人員はどのようなものか、また、救命センターはどのくらい整備すべきという考え方、計画があるのか、東京都における整備状況はどのようなものか、あわせてお伺いいたします。

◯丸山医療政策部長 

 厚生労働省が示した医療計画作成指針では、おおむね人口百万人単位で整備するものとされております。都では、地域性も勘案し、十二の二次保健医療圏に一つ以上確保することとしており、現在、都単独の補助施設五カ所を含め、合計二十一カ所を整備してございます。
 施設整備、人員ということに関しましては、東京都救命救急センターの設置運営要綱におきまして、救命救急センターの責任者が直接管理する専用病床を二十床以上整備すること、専用病床のうちICU、CCUを常時合わせて六床以上整備すること、二十四時間の診療体制を確保するため、救命救急センター専任の医師及び看護師を配置することとしてございます。

早坂委員 

 救命センターは高度な救命医療を提供するため、相当の施設整備や人員を確保しなければならない、このことがよくわかりました。
 このように重装備の施設は、きちんと活用されていないと意味がありません。また、救急患者をいつでも受け入れるという使命から、空きベッドがないようでもまた困ると思います。現在の整備されている救命センターの利用状況や活動実績についてお伺いいたします。

◯丸山医療政策部長 

 平成十六年度の実績でございますが、患者取扱延べ数は十五万二千五百三十人でございまして、病床の利用状況は約八〇%となっております。
 なお、厚生労働省は、救命救急センターを再評価し、その機能を強化することを目的に、診療体制や患者受け入れ実績等につきまして、その充実度に関してA、B、Cの三段階で評価を行う制度を設けておりまして、平成十七年度の都内二十一施設に対します評価結果は、すべて最上位のA評価でございました。

早坂委員

 現在都内にある救命センターはそれぞれ充実した活動をしているという評価であり、東京都全体としては、重症患者の命を守るという目的も達成されているという説明だったと思います。
 救命センターはまさに生命を守るとりでであり、重症の救急患者を一刻も早く受け入れるという使命を果たすものであることを考えると、都民の視点から見れば、一定の時間内に利用できるように配置されていることが理想的であると思います。しかし、救命センターの配置について、東京の地図で位置関係をよく見ると、二次医療圏に一つとはいっても地域偏在があるように思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。

◯丸山医療政策部長 

 救命救急センターは、生命危機を伴う重篤な患者への三次救急医療を担うもので、全都的なニーズにこたえられるよう整備することが基本であると考えてございます。
 都では、高度で総合的な医療技術を有する専門医の確保も課題である中、重篤患者の増加や地域性を勘案し、二次医療圏に一つ以上を確保しており、このことから、整備数は国の指針を超える二十一施設となってございます。

早坂委員 

 国の基準では都内に十二カ所あれば足りるとされている救命センターが現在二十一カ所ある、こういうお答えでありました。だからこのままでいいんだということにはならないと私は思うんです。それぞれの救命センターの能力や地理的な配置などをかんがみて、絶えずよりよい救命救急医療体制を模索する必要があると私は考えます。
 例えば、現在、救命センターの配置が比較的薄いと思われている地域で、みずから救命センターの役割を担いたいという民間病院がある場合には、そうした意欲ある病院を積極的に活用することも考えられるのではないでしょうか。現在の二十一カ所の救命センターの指定が既得権益になってしまい、現在の体制をもっとよくしようという努力に対して思考停止に陥ってはなりません。現在、国において医療制度改革が進められていますが、効率的で、住民の目から見てもわかりやすい体制を構築していくことが重要であります。今後、東京都としても救命センターの整備の考え方や要件などを新たな発想で検討していくことをお願いいたします。