2010.03.17 :平成22年厚生委員会
「ホームレス対策(その2)」

早坂委員 

 ホームレス対策について伺います。
 東京二十三区のホームレスの人数は、東京都が毎年二回実施している路上生活者概数調査によると、平成十一年夏の五千八百人をピークに、昨年夏には二千五百人となり、十年間で半減をいたしました。景気の低迷が続く中でホームレスの数が着実に減少しているのは、我が党のホームレス対策協議会と連携して施策を推進してきた東京都のホームレス対策事業の成果だと承知をしております。
 ホームレスが福祉事務所に支援を求めた場合、まず最初に向けられる緊急一時保護センターの事業内容について伺います。

〇庄司生活支援担当部長 

 ホームレス対策の基本は、自立した生活を回復させ、地域社会の一員として復帰させることにあります。緊急一時保護センターは、各区の福祉事務所を受付窓口といたしまして、原則一カ月間、ホームレスの社会復帰に向け、心身の健康回復と本人の意力、能力等の総合的な評価を行う自立支援システムの第一ステップでございまして、このシステムは平成六年から都区で検討を始め、全国に先駆けまして、平成十三年度に都区共同事業といたしましてスタートしたものでございます。
 その後、国は、平成十四年八月、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法を制定いたしまして、初めて国の責任を法で明文化したところでございます。
 都内五ブロック、各一カ所にあります緊急一時保護センターの入所定数の総数は四百三十二人で、運営に係る平成二十二年度予算は七億二百万円を見込んでおります。

早坂委員

 では、ホームレスが一カ月間、緊急一時保護センターで過ごした後に向けられる、次の段階で向けられる自立支援センターの事業内容について伺います。

〇庄司生活支援担当部長 

 自立支援センターは、緊急一時保護センター利用者のうち、就労意欲があり、かつ心身の状態が就労に支障がないと認められる者に対しまして、原則二カ月間、生活指導、健康相談を初め、ハローワークと連携した職業相談などの支援を実施して就労自立を目指すものであります。自立支援システムの第二ステップとして位置づけているところでございます。
 都内五ブロック、各一カ所にあります自立支援センターの入所定員の総数は三百二十四人でありまして、運営に係る平成二十二年度予算は九億三千六百万円を見込んでおります。
 なお、緊急一時保護センター退所者の四〇%程度が自立支援センターに進んでおりまして、残り三〇%程度が福祉事務所経由で生活保護受給者となっております。
 また、自立支援センター退所者の約八四%が就職しておりまして、そのうちの五一%が就労自立をしております。

早坂委員 

 ところで、新規事業である緊急就労居住支援事業は、ホームレスを福祉事務所から緊急一時保護センターに向けない新しい仕組みであります。この事業の目的と、既存の自立支援システム事業との違いについて伺います。

〇庄司生活支援担当部長

 国は、現下の厳しい雇用失業情勢の中、解雇や派遣労働者の雇いどめなどによるホームレスなどの増加に対応するため、平成二十一年度補正予算に補助率十分の十で、住居喪失離職者などの支援に向けた事業をメニューとして掲げました。
 この事業の一環であります都の緊急就労居住支援事業の対象者は、離職者などで居住を喪失した路上生活者などの不安定就労者で、これらの方々の支援に実績のあるNPOなどに委託をして実施するものでございます。
 具体的には、ホームレスなどに対しまして雇用機会の提供などの就労支援とあわせまして、借り上げアパートなどによる居住支援、生活支援を実施するものでございます。期間は六カ月以内でございまして、期間中、利用者は賃金日額七千百九十円で就労いたしまして、自立に向けて貯蓄するなど、将来、生活保護を受けることなく就労支援できるよう、本事業を通じまして就労及び生活の訓練をしております。
 既存の自立支援システム事業との違いでございますが、一定規模の施設での集団生活における自立支援とは異なりまして、本事業は、個室のアパートなどを利用いたしまして、NPO等が就労、居住、生活支援を一貫して総合的に行い、自立に結びつけるものでございます。

早坂委員 

 昨今の厳しい雇用情勢をかんがみると、ホームレスの自立に不可欠な就労の場、働く機会が本当に確保されているのか心配であります。つまり、幾らハローワークに連れていって職業の紹介をしても、現実にホームレスが働けていないのなら、自立支援は絵にかいたもちにすぎません。それならば、例えば公園の清掃など、彼らのための仕事を行政がつくり出すことが必要だと考えます。
 かつて、私、小学校で教育、勤労、納税が憲法に定める国民の三大義務だと習いました。その観点から、ホームレスは国民の義務を怠っているといえます。しかしながら、幾ら働きたくても、そもそも仕事自体がないのならば、話はまた変わってまいります。
 一方で、憲法二十五条は、すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定めています。ホームレスをそのままにしておくことは国の職務怠慢であります。どちらの観点からも、ホームレスの存在を社会として許してはなりません。行政による積極的な雇用創出など、今後、さらなる実効的な施策の充実を望みます。